ピックルボール初心者の方にとって、まず必要なものは何か、特にシューズ選びは悩みどころですよね。
専用のピックルボールシューズでなくても代用できるのかと考えたときに、例えばテニスやバドミントンのシューズではダメなのか?という疑問を持つ方も多いでしょう。
また、シューズだけでなく、ラケットの代わりに何が使えるのか、適切な服装は何かなど、ピックルボールをはじめるにあたって揃えるものも気になるところです。
この記事ではシューズの代用に関する情報に加え、K-SWISS、アシックス、ナイキ、ヨネックスといった人気ブランドの専用シューズの特徴も解説し、ピックルボールを本格的に始めたいあなたに最適な一足を見つけるお手伝いをします。
【記事のポイント】
- ピックルボールで代用できるシューズの種類
- シューズ以外に最低限必要な用具
- 初心者におすすめのシューズブランドと特徴
- 自分に合ったシューズを選ぶためのポイント
ピックルボールシューズの代用は可能?
- ピックルボール初心者のシューズ選び
- 最初に必要なものは何か確認しよう
- ラケットの代わりに何を使うべき?
- プレーするときの服装もチェック
- テニスシューズが代用に最適
- バドミントンシューズも使える
ピックルボール初心者のシューズ選び
まず結論から言うと、ピックルボールを始めるにあたり、必ずしも最初から専用シューズを用意する必要はありません。特に初心者のうちは、他のスポーツ用のシューズで代用することから始めても全く問題ないでしょう。
ピックルボールはテニスコートよりも狭い範囲で、前後左右への素早いステップや急な方向転換が頻繁に発生するスポーツです。そのため、シューズ選びで最も重要視すべきなのは「横方向の動きへのサポート力と安定性」です。
このため、横への動きを想定していないシューズ、例えばランニングシューズなどでプレーするのは絶対に避けるべきです。
ランニングシューズは前方への直線的な動きに特化して設計されており、アッパー素材は通気性を重視して柔らかく、ソールはかかと部分が厚くクッション性が高い構造になっています。
この構造が横移動の際には逆に仇となり、足がシューズの中でずれて捻挫をしてしまったり、着地時に不安定になって膝を痛めたりと、怪我をするリスクが非常に高まります。
まずはご自身の手持ちのシューズの中から、バスケットボールシューズやフットサルシューズなど、横の動きに強い「コートシューズ」と呼ばれるものを選ぶか、比較的手頃な価格帯のテニスやバドミントンシューズから試してみるのが賢明な選択と言えるでしょう。
ランニングシューズでのプレーは危険!
ランニングシューズはクッション性が高く前方への推進力を高めるために作られています。しかし、ピックルボールで多用される横方向の動きに対するサポート機能はほとんどありません。
無理に使い続けると足首の捻挫だけでなく、膝への負担も大きくなる可能性があるため、コートでの使用は避けましょう。
最初に必要なものは何か確認しよう
ピックルボールは他の多くのスポーツに比べて初期投資が少なく済むのも魅力の一つです。最低限揃えておきたい用具はそれほど多くなく、シューズの他に主に以下の3つがあればコートとネットがある場所ですぐにでもプレーを楽しむことができます。
中でも特にパドルは重さや素材、グリップサイズによってプレーの感覚が大きく変わるため、慎重に選びたいアイテムです。
初心者の方は一般的に7.5〜8.5オンス(約210〜240g)程度の重さで、バランスの取れたコンポジット素材のものが扱いやすいとされています。
また、ボールには屋外用と屋内用があり、屋外用は風の影響を受けにくいよう穴が小さく数が多く、屋内用は弾みやすいように穴が大きく数が少ないという違いがあります。プレーする環境に合わせて選びましょう。
日本ピックルボール協会(JPA)の公式サイトでも用具に関する規定が紹介されているので、参考にしてみてください。
シューズ以外のピックルボールの基本セット
- パドル:ピックルボール専用の板状のラケットです。素材や重さで性能が変わります。
- ボール:プラスチック製で穴の開いた専用ボール。インドア用とアウトドア用で仕様が異なります。
- 動きやすい服装:汗を吸いやすく、動きを妨げないスポーツウェアが適しています。
ラケットの代わりに何を使うべき?
ピックルボールではテニスやバドミントンのようなストリング(ガット)が張られた「ラケット」は使用しません。代わりに「パドル」と呼ばれる硬質な面を持つ板状の道具を使います。
見た目は卓球のラケットを大きくしたような形状で、このパドルで穴の開いたプラスチックボールを打ち合うのが特徴です。
パドルの素材は多様でそれぞれに異なる特性があります。安価な木製パドルは重くて耐久性がありますが、ボールコントロールは難しくなります。
現在主流なのはグラスファイバーやカーボンのシートで芯材を挟んだコンポジット素材や、軽量で打球感の良いグラファイト素材です。
初心者の方は比較的軽量でスイートスポット(芯)が広く、扱いやすいコンポジット素材やグラファイト素材のパドルから試してみることをおすすめします。
テニス経験者の方が初めてパドルを持つと、その軽さとボールが面に当たる「コン」という乾いた打感の違いに驚くかもしれません。
ストリングのたわみがないため、ボールを飛ばすにはラケット以上に自分の力でしっかりとスイングする必要があります。まずは短い距離でラリーを続ける練習から始めると、パドル独特の感覚に早く慣れることができるでしょう。
項目 | テニスラケット | ピックルボールパドル |
---|---|---|
打球面 | ストリング(ガット) | ソリッドな板状(面) |
主な素材 | カーボン、グラファイト | 木、コンポジット、グラファイト、カーボンファイバー |
特徴 | 高い反発力とスピン性能を持ち、ボールを「飛ばす」 | コントロールしやすく、打感がダイレクトで、ボールを「運ぶ」感覚 |
ボール | ゴム製のフェルト付きボール | 穴の開いたプラスチックボール |
プレーするときの服装もチェック
ピックルボールをプレーする際の服装に厳密なドレスコードはありませんが、動きやすさと快適性、そして安全性を重視して選ぶことが大切です。基本的にはテニスやバドミントンをするときの服装と同じようなスタイルで問題ありません。
具体的にはポリエステルなどの吸湿性や速乾性に優れた素材のTシャツやポロシャツに、ショートパンツやスコートを合わせるのが一般的です。
こうした機能性ウェアは汗をかいても身体にまとわりつきにくく、汗冷えによるパフォーマンス低下を防いでくれます。逆に、綿(コットン)素材のシャツは汗を吸うと重くなり、乾きにくいため避けた方が良いでしょう。
また、屋外のコートでプレーする場合は日差し対策が非常に重要になります。プレーに集中するあまり、気づかないうちに熱中症や過度な日焼けをしてしまう危険性があるため、事前の準備が欠かせません。
屋外プレーの服装ポイント(熱中症対策)
日差しの強い屋外コートでは、熱中症や日焼けを防ぐためにキャップやサンバイザー、UVカット機能のあるサングラスの着用がおすすめです。これらは日差しを遮るだけでなく、ボールの視認性を高める効果もあります。
また、UVカット機能のある長袖のインナーやアームカバー、レギンスなどを活用するのも良いでしょう。環境省の熱中症予防情報サイトなども参考に、こまめな水分補給と休憩を心がけてください。
テニスシューズが代用に最適
もしピックルボール用のシューズを代用するなら、最もおすすめで間違いのない選択肢がテニスシューズです。
ピックルボールのフットワークは、短い距離でのダッシュ、急停止、左右への切り返し、ネットプレーでの細かなステップなど、テニスと共通する動きが非常に多いからです。
テニスシューズはまさにそのようなコート上の激しい動きに対応するために専門的に設計されています。
テニスシューズには様々な種類がありますが、特に「オールコート用」を選べば、屋外のハードコートから屋内の体育館まで、様々なサーフェスに対応できるため非常に便利です。
アウトソールは「ヘリンボーンパターン」と呼ばれる杉綾模様の溝が刻まれていることが多く、これが高いグリップ力を生み出します。
また、アッパー(シューズの甲の部分)もしっかりと作られており、左右の動きで足がシューズ内でぶれないよう高い安定性を確保してくれます。
テニスシューズが代用に適している理由
- 横方向のサポート力:左右の動きで足がぶれないよう、側面がしっかり補強されている。
- 高い耐久性:摩擦に強いアウトソールがハードコートでの激しい動きに耐える。
- 優れたグリップ力:急なストップ&ゴーでも滑りにくいソールパターンが採用されている。
- つま先の保護:サーブやストロークでつま先を引きずる動きに対応するため、つま先部分が補強されている。
バドミントンシューズも使える
プレーする場所が体育館などのインドアコートに限定される場合は、バドミントンシューズも代用として非常に有効な選択肢となります。バドミントンシューズは体育館のウッドフロアや化学床で最高のグリップ力を発揮するように設計されています。
また、テニスシューズに比べて軽量でソールが薄く、より素足に近い感覚で動けるのが大きな特徴です。この軽快さが、俊敏なフットワークが求められるピックルボールにおいてもスムーズな動きをサポートしてくれます。
ソールが薄いことでコートを掴む感覚が分かりやすく、細かなステップが踏みやすいと感じるプレイヤーも多いでしょう。多くのインドアシューズには床に色の跡をつけない「ノンマーキングソール」が採用されているのもポイントです。
アウトドアコートでの使用は注意
バドミントンシューズのソールは、体育館の床のような比較的柔らかいサーフェスを想定して作られています。そのため、アスファルトやコンクリートなどの硬い屋外コートで使用すると、ソールの摩耗が非常に早く、すぐにすり減ってしまいます。
また、クッション性もテニスシューズほど高くないため、硬いコートでは足腰への負担が大きくなる可能性があります。基本的にはインドア専用と考えるのが良いでしょう。
ピックルボールシューズ選びにおける代用以外の選択肢
代用シューズでピックルボールの楽しさに触れた後は、より高いレベルのプレーを目指したり、さらに快適性を求めたりするために専用シューズや各ブランドの高性能モデルに目を向けるのも良いでしょう。
ステップアップすることでパフォーマンスの向上だけでなく怪我の予防にも繋がり、より長くピックルボールを楽しむことができます。
- 専用シューズならK-SWISSが有名
- ヨネックスはインドアコートに最適
- アシックスの安定性とグリップ力
- ナイキの軽量モデルもおすすめ
- ピックルボールシューズは代用できるのか?についての総括
専用シューズならK-SWISSが有名
より本格的にピックルボールを楽しみたい、あるいは代用シューズでは満足できなくなったという方にはピックルボール専用シューズが最適な選択です。その代表的なブランドが、1966年にカリフォルニアで創業したテニスシューズの老舗でもある「K-SWISS」です。
K-SWISSはピックルボールの急速な普及にいち早く着目し、専用シューズの開発に力を入れています。そのシューズは長年培ってきたテニスシューズの技術をベースにしながらも、ピックルボール特有の細かく機敏なフットワークに最適化されています。
テニスシューズよりも柔軟性が高く、軽量に作られているのが大きな特徴で、これにより長時間のプレーでも疲れにくく、快適な履き心地が持続します。
詳しくはK-SWISSの公式サイトでも確認できますが、中でも「Express Light Pickleball」シリーズなどは優れた通気性やクッション性、そしてピックルボールの動きに特化したアウトソールパターンを備えており、多くのプレーヤーから高い評価を得ています。
ヨネックスはインドアコートに最適
インドアでのプレーをメインに考えているのであれば、日本のスポーツブランド「ヨネックス」のシューズが非常に高いパフォーマンスを発揮します。ヨネックスはバドミントンシューズの分野で世界的に絶大な人気を誇っており、その先進的な技術はピックルボールにも最適です。
最大の特徴は、独自開発の衝撃吸収素材「パワークッション®」です。この素材は、着地時の衝撃を和らげるだけでなく、そのエネルギーを次の一歩への反発力に変換するという画期的な性質を持っています。
さらに進化版の「パワークッションプラス®」は、従来の衝撃吸収性を28%、反発性を62%アップさせたとされ、足や膝への負担を極限まで軽減し素早いフットワークをサポートします。
「パワークッション 65Z」などのトップモデルは抜群のフィット感と安定性を両立しており、快適なプレーを約束してくれるインドアプレーヤーにおすすめの一足です。
アシックスの安定性とグリップ力
アシックスは日本人の足の形を長年研究し、そのデータに基づいたシューズ設計で国内外の多くのプレーヤーに支持されているブランドです。特にテニスシューズやバレーボールシューズで培われた技術は、ピックルボールにおいても優れた安定性とグリップ力を提供してくれます。
衝撃緩衝材「GEL(ゲル)」を搭載したモデルは、着地時の足への負担を効果的に軽減します。また、シューズ中足部に搭載された「トラスティック」という補強パーツが運動時に生じるシューズのねじれを抑制し、安定したフットワークを可能にします。
「GEL-ROCKET」シリーズのようなインドアシューズはコストパフォーマンスに優れ、初心者でも手に入れやすいのが魅力です。
横方向の動きをサポートするソール設計になっており、ピックルボールで求められる左右のステップでも足元がぶれにくい安心感があります。フィット感を重視する方やコスパの良い一足を探している方に最適なブランドです。
アシックスのシューズは「2E」「3E」「4E」といったように、足幅に合わせた複数のワイズ(靴型)を展開しているモデルが多いのが特徴です。自分の足が幅広だと思っている方は、ぜひ一度アシックスのシューズを試してみてください。驚くほどフィットする一足に出会えるかもしれませんよ!
ナイキの軽量モデルもおすすめ
機能性だけでなくコート上でのファッションも楽しみたいなら、ナイキのテニスシューズも有力な選択肢です。ナイキのシューズは世界のトッププロ選手も使用するほどの高いパフォーマンスを誇り、特に軽量性と反発力に優れたモデルが多くラインナップされています。
その性能の核となるのが、薄型で高反発なクッショニングシステム「Zoom Air(ズームエア)」です。着地のエネルギーを素早く吸収し、次の動きへの爆発的な推進力に変えるため、スピーディーなプレーを強力にサポートします。
「ナイキコート ズーム」シリーズなどはこのテクノロジーを搭載し、プレーヤーの機動力を最大限に引き出す軽量設計が特徴です。
通気性の良いメッシュ素材や、足を包み込むようにフィットする「ダイナミックフィットシステム」など、快適性を高める技術も随所に採用されており、デザイン性と機能性を高いレベルで両立させています。
ピックルボールシューズは代用できるのか?についての総括
ピックルボールのシューズを代用する際のポイントや、初心者におすすめの専用シューズ、さらにステップアップのための一足について詳しく解説しました。
シューズはプレーの質を高めるだけでなく、怪我を防ぐためにも非常に重要なアイテムです。最後に記事全体の要点をリストで振り返ります。
- ピックルボールのシューズは他のスポーツシューズで代用可能
- 初心者はまず代用シューズから始めても問題ない
- シューズ選びで最も重要なのは横方向の動きへのサポート力
- ランニングシューズでのプレーは怪我のリスクが高く非推奨
- シューズの代用として最もおすすめなのはテニスシューズ
- オールコート用のテニスシューズは屋外でも屋内でも使える
- インドア限定ならバドミントンシューズも非常に有効
- バドミントンシューズは軽量でグリップ力が高いのが特徴
- 本格的にプレーするならピックルボール専用シューズも検討
- K-SWISSはピックルボール専用シューズの代表的ブランド
- ヨネックスのシューズはインドアでのクッション性に優れる
- アシックスは日本人の足に合ったフィット感と安定性の高さが魅力
- ナイキは軽量でデザイン性の高いスピーディーなモデルが多い
- シューズ以外にはパドルとボール、動きやすい服装が必要
- 自分に合ったシューズを選んで安全にピックルボールを楽しもう!